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コラム/CI週報

経済安全保障・AIリスク CI週報(2026年10月26日号)|AI・デジタル改革推進会議が始動、巧妙化する詐欺にも備えを

AgenTechでは、自治体・企業の皆さまのAI活用と備えに役立てていただけるよう、経済安全保障とAIリスクに関する公開情報を整理した「経済安全保障・AIリスク CI週報」を始めました。第1号となる今回は、政府のAI・デジタル改革推進会議の始動、医療機器の供給網強化、外部メール配信サービスを経由した情報流出の可能性、ディープフェイクが使われた可能性のあるニセ警察詐欺など、10の動きを「市場機会」「競合・業界の動き」「リスク」「制度・規制動向」の4つの視点でまとめました。各項目には、読者の皆さまが今から取り組めることを「示唆」として添えています。

1. 市場機会

① AI・デジタル改革推進会議が始動(10月22日)

デジタル行財政改革会議を改組した「AI・デジタル改革推進会議」の第1回が、10月22日に開かれました。論点案には、2030年の行政・産業・暮らし・危機管理の姿、行政・防災・農業など分野別の「AX設計図」、エージェント型AIを含む「信頼できるAI」の要件見直し、業務時間削減などのKPIをAI基本計画に盛り込むことが挙げられています。年内に中間整理を行い、「人工知能基本計画3.0」に反映される予定です。

示唆:AX(AIトランスフォーメーション)の取り組みを、分野別の設計図と、業務時間削減などの成果KPIに沿って整理しておくと、今後の政策の方向性と揃えやすくなります。

② ECMOを経済安全保障推進法の特定重要物資に追加(10月23日閣議決定)

10月23日、ECMO(体外式膜型人工肺)を経済安全保障推進法の特定重要物資に追加する施行令改正が閣議決定されました。小野田大臣は「主要な構成機器や部素材を海外に依存している」と述べており、国内生産体制の整備、研究開発、備蓄に国の助成が行われます。

示唆:医療機器の部素材を扱う企業や地域のものづくり企業にとって、供給網づくりに参画する入口となり得ます。地域産業の支援を考える自治体にとっても注目したい動きです。

2. 競合・業界の動き

③ 中国のレアアース輸出規制の行方(11月10日に注目)

中国商務部は10月15日の会見で、EU向け輸出許可の円滑化を続ける姿勢を示しました。2025年10月の規制パッケージ(0.1%ルール等)の停止を定めた公告第70号は、11月10日に期限を迎えます。米国側は1月までの延長を表明していますが、中国側の対応する法令文は確認されていないと報じられています(二次情報)。

示唆:11月10日前後の公告によっては、磁石や電池材料の調達リードタイムが変わるおそれがあります。関連部材を使う企業は、調達先や在庫の状況を今のうちに確認しておくと安心です。

④ 外部メール配信サービスを利用する複数の企業で公表が続く(10月22日〜23日)

外部メール配信サービスを経由した情報流出の可能性について、サービスを利用する複数の企業による公表が続いています。ある企業は、外部メール配信サービスへの不正アクセスにより配信先リストが持ち出されたとの報告を受け、確認を待たずに注意喚起を行いました。別の企業も、メールアドレスの漏えいについて第1報を公表しています。

示唆:自組織だけでなく委託先のSaaSまで含めた台帳を整え、事故が起きたときの初報の手順を決めておくことが有効です。経済産業省のSCS評価制度(2027年3月開始予定)への備えにもつながります。

3. リスク

⑤ 大手ゲーム会社の会員ID基盤への不正アクセス(10月22日公表)

大手ゲーム会社の会員ID基盤が不正アクセスを受け、メールアドレス等 約1,177万件が対象となったことが10月22日に公表されました。被害を受けた同社は、10月19日に痕跡を発見して遮断し、10月21日に警察と個人情報保護委員会へ報告しています。パスワードが不正に変更された196件はリセット済みで、カード情報は対象外とされています。同社は、なりすましメールへの注意を呼びかけています。

示唆:異常なログインを監視する仕組みと、万一流出した際に利用者へフィッシング対策を周知する手順を、事前に準備しておくことが大切です。

⑥ 鉄道会社へのランサムウェア攻撃、第2報(10月16日)

9月26日に確認された鉄道会社へのランサムウェア攻撃について、10月16日の第2報で、攻撃者を名乗る組織が情報の一部を公開したと主張していることが明らかにされました。被害を受けた側である同社は、対策本部と外部専門家により事実確認を進めています。

示唆:データの暗号化だけでなく、情報公開による脅迫も起こり得る前提で、BCP(事業継続計画)や広報の手順を見直しておきましょう。

⑦ ニセ警察詐欺でリアルタイムのディープフェイクが使われた可能性(10月11日報道)

Zoomで偽の警察官が警察手帳を見せた映像について、大阪府警が提供した映像をもとに、ディープフェイクである可能性が高いと報じられました(二次情報)。

示唆:映像や身分証が見えても本人確認にはならない、という前提に立ち、いったん通話を終えて折り返し確認する手順を、職員・社員の研修に組み込むことをおすすめします。

4. 制度・規制動向

⑧ 機微な個人データの防護について議論を再開(10月16日)

経済安全保障法制に関する有識者会議(第18回)で、機微な個人データの防護(データセキュリティ)についての議論が再開されました。1月の提言で「引き続き検討」とされていたテーマです。大臣は、パブリックコメント等を通じて理解を広げていく考えを示しています。

示唆:新たな措置が設けられるかどうか、意見募集がいつ行われるかに注目しておきましょう。

⑨ 「AIの社会実装で障害となる規制・制度」の情報提供を受付中(10月30日17時まで)

内閣府規制改革推進室が、LLM、エージェントAI、フィジカルAI等の開発・提供・利用にあたっての困りごとについて、情報提供を受け付けています(受付期間:10月19日〜10月30日17時)。

示唆:自治体や企業の現場で感じている規制・制度上の困りごとを、今週中に直接伝えられる機会です。

⑩ CPSF改訂案の意見公募と、EU AI法の12月2日期限

経済産業省は、CPSF(サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク)version 1.1(案)の意見公募を10月23日に開始しました(12月21日必着)。約7年ぶりの改訂で、NIST CSF 2.0等を踏まえた内容です。

また、EU AI法では、2026年8月より前に市場に出た生成AIについて、機械可読なマーキングの猶予が12月2日で終了し、同日に新たな禁止規定も適用されます。高リスクAIの義務は、Annex IIIが2027年12月2日から、Annex Iが2028年8月2日から適用されます。

示唆:EU向けにサービスを提供している企業や、その支援に関わる皆さまは、12月2日の期限に向けた対応状況を確認しておきましょう。

代表・鎌田のひとこと

政府のAI・デジタル改革推進会議が始動しました。今後に期待です。また、ニセ警察なども出てきています。犯罪が巧妙になってきていますので、今一度注意していきましょう。

おわりに

AIの社会実装に向けた政策が動き出す一方で、サイバー攻撃や詐欺の手口も巧妙になっています。チャンスを活かすことと、備えを固めることは、どちらも欠かせません。

AgenTechは、AIを活かす「攻め」と、ガバナンス・備えの「守り」の両輪で、自治体・企業の皆さまに伴走してまいります。気になる項目や自組織での進め方について、お気軽にご相談ください。

挑戦を、ともに。

AgenTech株式会社 代表取締役 鎌田正宏

※本記事は2026年10月26日時点の公開情報をもとに作成しています。(二次情報)と記載したものは報道等にもとづく情報です。

出典

① デジタル庁「AI・デジタル改革推進会議(第1回)」

AI・デジタル改革推進会議(第1回)|デジタル庁

① デジタル庁「AI・デジタル改革推進会議(第1回)資料4」

20261022_meeting_ai-digital_docs_04

② 首相官邸「閣議の概要(2026年10月23日)」

令和8年10月23日(金)定例閣議案件 | 首相官邸

② 日本経済新聞(二次情報)

特定重要物資に「エクモ」追加、政府決定 安定供給の確保支援 - 日本経済新聞

③ 中国商務部 記者会見(10月15日)

english.mofcom.gov.cn/News/PressConference/art/2026/art_66ad558aec9c4162ba4eddeadd7c271c.html

③ technology.org(二次情報)

www.technology.org/2026/10/19/china-rare-earth-export-pause-november-10

④ ヌーラボ 公式発表(10月22日)

外部メール配信サービスへの不正アクセスに伴う、お客様情報の流出の可能性について(第一報) | お知らせ | 株式会社ヌーラボ(Nulab inc.)

④ アルク 公式発表(10月23日)

メール配信サービスへの不正アクセスによるメールアドレス漏えいに関するお詫びとお知らせ(第1報)  - 株式会社アルク

④ 経済産業省 注意喚起

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⑤ カプコン 公式発表(10月22日)

不正アクセスによるお客様情報漏えいのお詫びとお知らせ | プレスリリース | 株式会社カプコン

⑥ 京王電鉄 ニュースリリース(10月16日 第2報)

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⑦ 朝日新聞(二次情報)

リアルタイムディープフェイク使う詐欺犯 録画したエンジニアの証言:朝日新聞

⑧ 内閣府 小野田大臣記者会見(10月16日)

小野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年10月16日 - 内閣府

⑨ 内閣府規制改革推進室「AIの社会実装で障害となる規制・制度」情報提供

AIの社会実装に関する情報提供のお願い : 規制改革 - 内閣府

⑩ e-Gov パブリック・コメント(CPSF version 1.1(案))

サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク(CPSF)version 1.1(案)に対する意見公募について|e-Govパブリック・コメント

⑩ EUR-Lex(EU AI法関連規則)

eur-lex.europa.eu/eli/reg/2026/1744/oj/eng

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